仕立屋と職人 石井挙之様

2018-06-19

SERENDIOUSの仕組みでは、ターゲット層や、雰囲気などを見てお互いアプローチできるので、その売り場を探す手がかりを得られるというのはすごくいいなと思いました。

・どのような作品を作られていらっしゃいますか?

伝統工芸の張り子の技術を使ったジュエリーを三◯◯年以上の歴史を持つ、福島県郡山市のデコ屋敷本家 大黒屋の二十一代と共同開発しています。 張り子というのは紙をはっていく伝統技術で、だるまやカラス天狗のお面などに使われています。この伝統工芸の技法を使い、和紙を張り重ねたharicoという名前のジュエリーのシリーズで、形や和紙の風合いで使用シーンにあわせたバリエーションを展開しています。
ピアス、タイタック、帯留めなどに蜜蝋と漆を使い、紙だけど、汗染みなどに強い加工をしています。紙なのでものすごく軽く、ピアスで大きなものも耳につけていてもほぼ重さを感じないということで驚かれます。

・何故「仕立屋と職人」というプロジェクトをはじめられたのですか?

目的としては、日本の伝統工芸は色々な所でフィーチャーされていたり、海外の方に人気だったりしますが、職人自体にフォーカスしているものがどれだけあるのか、と思っていました。職人が作ったものは人の手に届くが、それが職人の代わりに想いを語るには限りがあります。職人さんたちも代々受け継いだ技術で物を作り続けるうえでの葛藤や、それこそ哲学などの職人の想いが表になかなか出てこないし、職人自身も伝えてきていなかったのではないかと感じていました。僕ら4人は、つくること、伝えることを得意としているので、そういった技術やスキルや能力を使って彼等と一緒に職人の生き様をしたてたいと考えました。
プロジェクトとしては、こういった活動のベースがあれば、日本全国でやっていけるよねということでスタートしました。今は、福島県郡山市から移動して、滋賀県長浜市に来ています。

・これまで作品の発表はどのように行われていましたか?

今までは、展示会が主ですね。haricoは、職人の作業着につけた紙のボタンから発展して生まれたプロダクトなのですが、最初は活版TOKYOという神保町でやっているイベントで出展依頼をいただき、仕立屋と職人として出展し、次のルームス(rooms)ではデコ屋敷本家 大黒屋の一部として共同でブースを出展しました。こういったイベントなどで、お客さんの反応を直に得ながら、プロダクトを進化させていきます。

・SERENDIOUSのどのあたりが良いと思っていただけたのですか?

商品開発の初期の段階では、自分達で売り場を見つけてくるのは相当な苦労です。売り場を見つけるためには、一人、二人、人をつける必要がありますが、SERENDIOUSの仕組みでは、ターゲット層や、雰囲気などを見てお互いアプローチできるので、その売り場を探す手がかりを得られるというのはすごくいいなと思いました。haricoは伝統工芸の技術を使ったもので、安いものではありませんし、大量生産で薄利多売というものではありませんが、初期から参加されているスペースオーナーがしっかりとした会社さんで、我々のプロダクトの価格帯、トーンにあったスペースを見つけられる可能性があるのでは、と感じました。

・今後SERENDIOUSに期待される事はどんなことですか?

一つは、お客さんの反応やスペースオーナーの反応、声を拾える場になって欲しいという点です。こういった声を拾うことは、なかなか大変ですが、プロダクトを開発する上で、価値ある情報のフィードバックを期待しています。
次に、SERENDIOUSは、せっかくアーティスト、スペースオーナーがたくさん参加する場なので、それらの人たちが横に繋がるきっかけになるといいですね。オンラインのプラットフォームの良いところは、日本全国から参加できることだと思います。我々のように滋賀県からの参加者が、たとえば九州や東北の方と繋がることができて、共同開発したり、お互いがお互いを招待して展示会を開催したりする。それをスペースオーナーにバックアップしていただいたり、オンラインからリアルへの展開のきっかけになるといいですね。

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